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zoom RSS スーと旅する 〜輪島〜

<<   作成日時 : 2008/09/13 00:00  

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石川県輪島市。
私、荻上千佳はいま、友人のスーとここの朝市に来ている。
特段の目的もない小旅行。彼女とは馬が合うのか、よくこのような組み合わせで行動していた。
三大朝市のひとつとして千年以上もの歴史を刻むこの古きよきマルシェ(市場)には、潮の香りと野菜の青い匂いが立ち込めている。
はるか以前からここでは、このように生活の品々が売り買いされ、交換され、その行為が脈々と受け継がれてきた。『亭主の一人や二人養えぬ女は甲斐性なし』、そんな言い回しさえあるこの地の女性には、器の大きさ・力強さを感じてやまない。
私も、と思う。私もいつか、このような強さを身につけることができるのだろうか。
心に負った傷は、幸い分かち合ってくれる人物と巡り会うことができた。だが、その傷が癒えることはないのだ。
いつか私は、その傷をまるまる受け入れることができるようになるのだろうか。
「チカ」
想いに耽っていると、旅の友が声をかけてきた。
「ん、どしたのスー」
「アレ」
彼女が立ち止まっていたのは、私から少し離れた野菜売りの店先だった。歩み寄る私を見てか、売り子の女性は楽しそうに笑いかけた。
中腰になったスーの見つめる先は、大根の盛り籠。
この朝市では、近隣の農家が地場野菜を売りに来ている。農協やスーパーへは形の整った農産物を卸し、ここではそういった『きれいな商品』にならないイビツな野菜を売るのだ。もちろん味に遜色はなく、値段が安いことまで考えればむしろお得と言える。
「嬢ちゃんも見ていき。こんじゃ立派じゃろう」
いかにも農家のおかあちゃん、といった雰囲気の女性が指差す先は、スーの手に持った大根があった。
根の下半分が大きく二つに分かれていて、まるで人間の足のように見える。大根足とはよく言ったものだ、と笑いをこらえながら見ていると、不意にスーがその大根を裏返した。
私が見ていたのは大根の『お尻』の方だったようだ。前後逆になって私の眼前にまみえた大根の股間には、それはもう……立派な……まるで……男の人の……。
「……っ!?」
「チカ」
すっくと立ち上がり、大根を腰溜めに構えて、彼女は意気揚々と言い放った。
「控エオロウ!コノイン○ウガ、目ニ入ラヌカーッ」

あまりの大声に何事かと周囲の人々から注目を集める中、私の廬山昇龍覇が火を噴いた。

輪島の朝市。その人いきれはあたたかく、柔らかで、心地よい。
私、荻上千佳は、天空高く舞い飛ぶ友人を見据えながら、もう二度と来ることができないであろうこの癒しの空気を、胸いっぱいに吸い込んだのであった。





おわり





【あとがきなど】

8ヶ月ぶりの新作wいや同人誌にいくつか書いてはいたんですが。
マイミクさんに『こういうネタはどうか』と振ったアイデアを文章化。

『げんしけんSSスレ』、またしばらく落ちてて復活したので記念に投下して来ました。

げんしけんSSスレ17
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1221232036/

がんばらねば。

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
友達はみんなカレシと一緒でかまってくれません…アタシと遊んでくれる人メール下さい☆ a.a-mai@docomo.ne.jp
りおな
2009/06/22 10:41

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